すごいやつら<2>
夕べはオオスズメバチ編でしたが、今宵はどんなすごいやつでしょう?
多種にわたる植生に覆われていた僕らの山の、落葉・常緑の比率は7:3くらいのものでした。落葉の勝る植生だと毎秋の落ち葉の総量といったら、そりゃあすごい量になります。11月中旬以降の少し風の強い日は、黄金色のブリザードといった景色が目の前にひろがります。なかなかきれいですよ。
その舞い落ちた幾種もの落ち葉は雨に打たれ、風にさらされ、霜にのられ、雪に圧されやがて来る春の頃には行儀良く1枚の層に均されています。分解の早いナラの葉は春の終わりに土への同化を始めている様に見受けます。これらがいわゆる天然腐葉土へ姿を変えて行くのですねえ。腐葉土が幾層にも重なりあった地盤はおびただしい数の微生物宝庫でもあります。実際には目に留まらない大きさの物なのでしょうが、手で表面を掻き分けると墨色に近い色をした層の中で、無数にうごめく微生物がみえるような感じを受けるのは僕だけでしょうか?少しグロテスクかな・・・
すごいやつ<2>はお分かりの通り漆黒のじゅうたん、腐葉土です。
そのすごさを列挙すると、懐かしい匂いがする。特に雨がやんでしばらくした時。
くるぶしまで飲み込まれる柔軟さ。国会議事堂に敷いてあるのより断然気持ちよい、筈。 この2点は個人的感情。
驚くべき吸水力。どんなに大粒の雨が長時間降ってもペロッ、と飲み込んでしまいます。しかも次の日にはその水分は放出してしまう。つまりぬかるまないんです。
山の植生の健全な更新に大きな役割を担っている。種子の実生率がとても高いように感じます。その結果、寿命で倒れる樹の後釜がそこここに育っている訳です。
まだあります。
人の手で植樹をしても、ほぼ100%に近い確立で根づきます。程よい通気性、保水性のためでしょうか。
体験を基にその優れていると感じる事を挙げてみました。こんなにすごいやつの腐葉土がこの山にはたくさんあったのですが、大部分を造成した際に失ってしまいました。つくずく残念でなりません。現在残った落葉樹にまたつくってもらいたいと身勝手に思っている僕です。
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