2005・冬
基礎が無事終わった。 予算の都合上、比較的低コストで済む布基礎 にしたかったが、建物の一部が盛土部分に乗り不同沈下の 可能性があるため、ベタ基礎を選んだ。 ベタ基礎にすることで一つ懸案が持ち上がる。 床は三和土の土間にする都合上、 山の地盤からの湿気を遮断してしまうベタ基礎は向かない。 建物を守る上では余分な湿気が無い方が良いのだけれど、 基礎下の地盤から幾分でも湿気を呼び込む為に取った 苦渋の選択。 基礎のベースとなる150mm厚のコンクリート盤に 一平米に付き一つの穴を開けることに決める。 穴を開けたい場所にあらかじめボイド管を固定した。 そしてコンクリを流し込む。 実際にどれ程の効果があるのか未だに不明ではあるが、 一階の仕事場の湿度を測ると50~60%で安定しているので よし、としておこう。
プレカットを終えた材木が搬入される。 高く積まれた材木を眺めて、初めて実感が湧いてくる。 本当に家を建てるんだなぁ・・・。
無理を聞き入れてくださった、共栄ハウジングの吉田さんが 土台敷きに来られる。 息子さん2人も同行し、共に腕のよい大工さんだった。
続けて1階の柱を立て、 人力で持ち上がる桁、梁を架ける。 皆さん、力持ち。

後日、吉田さん親子3名と仲間の大工さん2名、大型クレーン運転手1名の総勢6名での上棟。 ささやかなる上棟式だったが、この家の建築に関わる皆さんの 安全を心から祈った。 その後、屋根垂木流し、筋交い、間柱を入れ終えたところで 共栄ハウジングさんの仕事は終わりにして頂いた。
本来家を建てる場合、依頼した工務店が一貫して施工に当たる 訳だが僕の身勝手な理由で、ほんの数日間だけの 仕事依頼を受け入れてくだすった共栄ハウジングさん。 又無理な相談に乗って頂いた協力の会長、及川さん。 本当にありがとうございます。
共栄ハウジングの吉田さんの言葉をここに残したい。
「せっかく夢のマイホームを建てたのに、ローンを返すため 家の人が夜遅くまで働かなくてはいけない。 皆が家にいられるのは寝る時だけ。 それでは哀しい。 なんの為に家を建てたのか解らないじゃないですか。 共栄ハウジングの共栄とは、施主も我々も共に栄えることを願って付けた名前です。」
その願いを実現しようと日々経営努力をする姿、 僕はこの眼でしっか、と見させてもらっています。
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