Author:六地蔵山坊主 お蔭様で第4回の窯焚き、窯出しを無事済ませることができました。遅々とした動きですが、確実にに前進している・・・そんな実感がじわじわ湧き上がっている昨今です。春の窯に向け再始動します。
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欠かせぬ存在
造成が終了して3ヶ月経つ。窯の寸法、勾配がおおよそ決まる。その窯を覆う窯屋根は、かなりの大きさになる。窯が収まる他、窯焚きの燃料の赤松を積み上げるスペースや、窯詰め、窯焚きで動きまわれるスペースなどを確保したいから必然的に大きくなるのだ。 かと言って、予算は多くは掛けれない。その辺りのバランスを取りつつ設計を練る。 ここで、一人の人間を紹介したい。自分の描いた青写真を現実のものとする為に奔走し続けてくれた友人でもあり、恩人でもあるU君。同時に損得勘定を抜きにして、僕の計画の縁の下の力持ち役を変わらぬ姿勢で貫いてくれた、誠に得難い存在でもある。彼の職業は大工である。 窯屋根ややきもの屋の仕事場がどんな物なのかを学ぶ為に、岡山の備前へ出向いて行く、そんな人だ。 彼とは、この山と出会うずっと前から仕事場と住まいの設計を練り続けてきた。職業と住まいが重なり合い、しかもお互いが干渉し過ぎる事のないあんばいの良い建物が出来るかどうか。しかも、低予算で。 行程からすれば住まいが先に必要であったが、諸々の事情により窯屋根の建築から取り掛かる。ここでも、工法、材料の選択、基礎の仕様といずれも彼の経験と知恵に頼る。広い面積の屋根の強度をどう確保するか、窯から噴出される煙の抜けを好くするには、どんな屋根形状がいいのか、柱の無い大空間を確保するにはどうすべきか、など。 実際に着工したのは2004年5月。残念な事に、この頃の写真が全く無いのだ。 材料搬入。部材の刻み、防腐剤塗料、建前の順で進む。平坦な面に建てるのではなく斜面に沿うような形状の建物だから、各柱のレベル出しに手が掛かる。約1ヶ月半で大きく、丈夫な窯屋根が出来上がる。墨色のシブイこの窯屋根を、僕はとても気に入っている。