徳利
僕のやきもの原料は岡山、備前で取れた土を使っています。 この土を登り窯にて無釉で焼き締めるのですが、焚きようによっては多様な焼き上がりが期待できるほかに、もう1つ大きな長所があります。 1200度近い温度で焼け締まったその肌は、一見硬そうに見えますが 実に通気性のよい器なのです。 例えば、花器に花木を挿しておくと長時間瑞々しい花の状態を保ちます。器の通気性がよいことで、水が腐りにくいのです。 吸い上げる水の鮮度が悪ければ当然花木の姿は衰えてゆきます。 この特徴を大きく活かせるものに徳利が挙げられます。 聞いたところによると、備前の徳利に入れておいた酒はまろやかになり 1ランク上に育ってゆくそうな。2級酒が1級になるんだそうです。 眉唾ものに聞こえるかもしれませんが、科学的なデータの蓄積が確かにあるそうなんです。 だからといって、何年も入れっぱなしにしておくことで普通酒が大吟醸に育つ!というわけではないのでアシカラズ。
徳利それぞれ。 左から三角徳利、徳利、徳利花生、肩衝徳利。
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