おまけ
昨日運んだ松の古梁材に、歴史を感じさせるモノがくっついて来ました。打ち込まれたままの和釘です。

1本だけでも手に入れたいなぁ、という以前からの願いが ひょんな成り行きで叶ってしまいました。 和釘の周りを慎重に掘り下げて、最後はテコの原理でやんわり掬い上げ 無事摘出成功です。

長さ135mm。 替折釘(かいおれくぎ)という名称だそうです。 途中から湾曲していますが、それさえも美しいと感じます。

和釘とは明治時代の中頃まで建築物に高い頻度で使用されていた 日本独自の鉄製の釘です。江戸時代の初期までは鍛冶屋が 1本1本鍛え叩き打ち出していたらしいのですが、それ以降は需要の高まりに生産が間に合わず鋳物製法へと変わっていったそうな。 明治に入り洋釘が出回り、和釘の生産は衰退していった経緯があるそうです。 我が手元に巡り来た和釘は建築物の年齢から推測するに 和釘が衰退してゆく最中に鋳物製法で造られた代物ではないかと、 つらつら思いを巡らしています。
よくぞ、この手にたどり着いてくれたものだ。

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