粘土のこと
やきものの原料、粘土の話です。 先日触れた原土を紹介します。僕がやきものの勉強をしたのが岡山の備前焼ということで、手持ちの粘土の大半は備前産です。 それと千葉産が少し。それぞれ性質の違う粘土になるので、種類で数えると9種類になります。下の写真が種類別にシートで覆った粘土達です。

田んぼの下から掘り出したもの、山肌から削り取ったもの。 グレー,おおど色、黒、茶色。 十人十色と言いますが粘土もまさにその通りです。 見た目も性質も実にバラエティーに富み、それらを全て把握するのには時間が必要なのです。 どんな用途で使うものか、どんな焼けを出したいのかで粘土の配合具合を変えて行き、適したものを探す作業を繰り返し試す期間が必要です。

シートをめくって粘土を見てみましょう。 これはグレーの濃淡混じりのものです。手持ちの中では割合細かい目の粘りの強い粘土です。 おそらく徳利やぐいのみ、一輪挿しなどの小物に適したものだろうと感じます。おとなしく品の良い性質なのでこじんまりまとまった、静かな佇まいの作品が良いのかなと思うからです。 このように、とても主観的な想いで粘土の使いようが決まるので、固定観念を強く持ちすぎるのは危険だと言えるかも知れません。 その粘土が持つ個性の可能性を活かせるかどうかは、作者がカギを握っているのですから。 やきものの世界ではこんな格言があります。 一土二焼け三作り(いちつち、にやけ、さんつくり) 良い作品を会得したいのならば土、焼け、作り、どれもが大切な要素だけどその中でも、土の勉強は特に怠るなということらしいです。
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